今日は、最近読んだ2冊の小説を紹介します。
奥田英朗さんの短編集。
表題作はタイトルのとおり、コロナ禍を描いたものです。
コロナにかかったかもしれないと思い込んだサラリーマンの主人公は、妻と5歳の息子を守るため、徹底的な対策を行う。一方、息子にはコロナを感知する能力が…?
コロナのことで疑心暗鬼になる気持ち、誰でも共感すると思います。この主人公はちょっと極端で笑えるけど、あながち間違っていないし、応援したくなります。
どの作品も、不思議なことが起こります。巻頭の作品では古民家に子どもの霊…?
実はMaruko、そういうの苦手なので、本選び失敗したかと思いました。
けど、ほかの作品にも霊的なことが起こるものの、どれも怖くないの。助けてくれたり、思い出を共有したり。むしろ、あったかくて、読後感に清々しさすら感じます。
オバケ怖い人には、オバケが怖くなくなる本、と言っても良いかもしれません。
奥田英朗さんの作品は久しぶりに読んだけど、やっぱり好きだな。本選び、間違ってなかった。
紙の本にだけ、作中の登場曲が楽しめるSpotifyのプレイリストというオマケ付きです。
36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の女性が主人公。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる…
子どもの頃から「普通ではない」と言われた彼女は、社会人になってから、コンビニにだけ、過剰に適応しているのですが、それは世間からは「普通ではない」とみなされます。「結婚しないの?」と「なんでバイトだけ?」を訊かれ続けるのです。
主人公の言動に共感はしないのですが、自分も「普通」になりたがってるフシがあることに気付かされます。
というか、誰でも、「多様性を認めよう」とか言いながら、自分だけは「普通」(というイメージ)に近づこうと努めているんじゃないかしら。知らず知らずのうちに。
「普通」を考えさせられる作品でした。
さて、夏休みの宿題に読書感想文って、今もあるのかしら? まだ書いてないコは、早く読まないと夏休み終わっちゃうよー!
o(≧∇≦)o ガンバレ
いつもお読みいただき、ありがとうございます。