幸せか不幸かって、他人に決められたくないですよね。とかく他人の評価を気にしがちな今日この頃ですけど。
今日紹介するのは、町田そのこさんの連作短編集。
海を見下ろす「うつくしが丘」という住宅地に建つ、3階建ての一軒家を買った代々の住人を描く連作短編集。
第1章では、1階を店舗に改装して美容室を開こうとする夫婦が家を購入。この時点で築21年。
ところが、開店直前にたまたま通りかかった近所の人から、「ここは『不幸の家』と呼ばれているのを知っているのか」と言われる。
なぜそう呼ばれるのか? はたして本当に「不幸の家」なのか…?
第2章ではその前に住んでいた住人、第3章ではさらにその前に住んでいた住人…というように、代々遡って、その家に住んでいた住人たちの物語が描かれます。
最後の第5章では、新築した夫婦が離婚し父子家庭となった家に同居することになった女性の視点で物語が進みます。
エピローグでは再び第1章の夫婦。美容室開店から3年。そこに24年ぶりに現れた男性。
判明する人と人との繋がり、枇杷の木のナゾなど、伏線も回収され、暖かい気持ちに包まれ癒されます。
ポジティブな言葉よりネガティブな言葉の方が自分の中に残ってしまいがち。でも、それで不幸な気分になるのは損ですよね。
それに、生きていれば厳しい現実もある。けれど、そのときは不幸と思えることもいつか遠い記憶になったりしますし。
「幸せ」と「不幸」の二択では語れないのが人生のような気がするMarukoでした。
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いろんな みかたを すればいいにゃ
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