「ほどなく、お別れです。」
それは、故人と遺族が一緒に過ごせる最後の瞬間に告げられる言葉。
今日は長月天音さんの小説「ほどなく、お別れです」とその続編「ほどなく、お別れです それぞれの灯火」を紹介します。
就活に行き詰まっている大学生の美空は、家に近いのと、時給が良いことから、葬儀場のアルバイトをしている。休職を経て久しぶりにアルバイトに出ると、葬儀場には、事件や事故絡みの訳アリのご遺体を専門にする葬祭ディレクター漆原がいた。
彼は言う。「死者にとっても遺族にとってもきちんと区切りになる式をすすめるのが俺の仕事」と。
そして、美空にはちょっとした能力がある。それは「気」に敏感ということ。一般的には霊感と呼ばれるものだ。
美空と漆原は、死者のため、遺族のために「区切り」を作っていく…
続編では、美空は葬儀場に就職している。
アルバイトとして漆原の行う葬儀を手伝っているうち、本格的に葬儀に携わりたいと思うようになり、葬祭ディレクターになるという目標を持てたのだった。
そして今では、漆原は直属の上司で教育係。指導は厳しいが、故人と遺族が最良の「区切り」をつけられるよう最善を尽くす漆原に、美空も学び、戦力となっていく。
そんなとき、再会した高校の同級生に相談される。
「遺体がなくても、葬儀ってできるの?」
「霊感」という言葉は出てきましたが、オカルトとかホラーの要素はほぼありません。不思議なエピソードは出てくるものの、おどろおどろしくないというか。
あくまでも、葬儀屋さんを舞台にしたお仕事小説であり、若い女の子の成長物語です。
そして何より、突然の別れを経験する遺族の悲しみや後悔や混乱を鎮めてくれる、癒しの物語です。
どの葬儀でも、滞りなく儀式を進めることで、遺された者たちは気持ちの整理ができ、正しく?悲しめるようになるのかもしれないな、と思いました。
Maruko も「葬儀なんかしなくてもイイヨ」ってMARUO に言ってるんだけど、遺される人にとって必要な場合もあるのかもしれませんね。
考えさせられます。
( ´~`)ゞ
とうか、
しませんけど?
いつもお読みいただき、ありがとうございます。